僕自身は残念なことに全く霊視能力の欠片も持ち合わせていない。だから、死後の世界や霊魂の話をするにしても、ほとんどが想像の産物か、はたまた誰かの受け売りなのである。昔、まだ丹波哲郎氏が存命であった頃、結構彼の話にはまってしまい、著書を読んだり映画を観たりして、その度に感動を覚えていたものである。 たとえ他人の話であっても、その内容に信憑性があり真実だと確信できれば、それはあたかも自分自身の体験であるようにも思えてくる。幽体離脱の話も以前の職場のアルバイトの男性から聞いたことがあるし、霊視能力がある女性の話も会社の同僚から聞いたことがある。たとえ自分自身に霊魂を視る力がなかったとしても、実際にそれらが見える人間が存在する訳だから、やはり死後の霊魂は存在するのだと思われてならない。この世が物質の上に成り立っている世界であれば、死後の世界は非物質であるエネルギー体のみの世界と言えはしまいか。 魂がこの肉体から解き放たれる時、人間は如何なる存在となり得るのか。形あるものから形なきものへ変化する時、我々には一体如何なる体験が待っているのか。死とは、死の瞬間とは一体如何なるものなのか、誰しもが経験する事でありながら、誰もその真実をこの世で語り得ない、永遠の謎なのである。 |